三重県菰野町に窯を持つ山口陶器のブランド「かもしか道具店」

かもしか道具店

2025.5.27
陶器の魅力

本格炭火焼きを室内で|陶器製七輪の魅力と安全な使い方

■室内で七輪は使えるのか?安全に楽しむための基本知識

七輪といえば、アウトドアや庭先でのバーベキューを連想する方も多いでしょう。しかし、近年では住宅事情もあり「室内でも七輪を使って本格的な炭火焼きを楽しみたい」というニーズが高まりつつあります。実際に、陶器製の卓上七輪などはコンパクトで扱いやすく、家庭内での使用も現実的な選択肢となっています。

ただし、室内での七輪使用には注意が必要なため、正しい知識と十分な準備が不可欠です。そこで、この章では安全に七輪を楽しむための基本知識を解説します。

・室内使用は可能?七輪の危険性と対策

室内で七輪を使用することは可能ですが、リスクもあります。以下の2つが特に注意すべき点です。

≪一酸化炭素中毒のリスク≫

炭が燃える際には、一酸化炭素(CO)が発生します。これは無色・無臭のガスで、少量でも吸い込むと頭痛・めまい・吐き気などの症状を引き起こし、ひどい場合は命に関わる危険も。とくに冬場は窓を閉め切りがちなため、一酸化炭素がこもりやすくなります。

≪火災事故のリスク≫

七輪の底や側面は高温になり、周囲に置かれた可燃物(カーテン、紙類、木製家具など)に引火する恐れがあります。また、炭の飛び散りや、火のついたまま放置することによることも危険です。

安全に使用するための対策

1. 換気を徹底する

使用中は2方向の窓を開けるなどして、常に空気の流れを作ること。

キッチンの換気扇にくわえ、サーキュレーターなどで強制的に空気を循環させるのが理想的。

2. CO警報器の設置

市販のCO(一酸化炭素)警報器を七輪の近くに設置し、異常があればすぐに察知できるようにしましょう。

3. 燃えやすいものを遠ざける

七輪の周囲は最低でも1メートル以上の安全距離を確保。また、必ず耐熱マットや敷板を敷いて使用しましょう。

4. 火の始末は完全に

使用後は炭を完全に消火すること。水で冷やすか、火消し壺を使用するのが確実です。

これらの対策を怠ると、楽しいはずの炭火焼きが一転して重大な事故につながりかねません。室内での七輪使用は「火を使っている」以上の意識を持って、安全第一で臨むことが大切です。

イメージ画像

■陶器製七輪の特徴と室内利用に適した理由

室内での七輪利用を考えるうえで、「どんな素材の七輪を選ぶか」は極めて重要です。その中でも注目されているのが、陶器製の七輪。昔ながらの土製七輪とは異なり、現代の陶器製七輪は断熱性や蓄熱性、遠赤外線効果に優れた特性を持ち、室内でも安心して使いやすい構造になっています。

・陶器製七輪の基本構造と素材の特性

陶器製七輪は、耐火性の高い粘土を高温で焼き固めた構造をしています。そのため、以下のような物理的特性を持っています。

〇断熱性に優れる

陶器は熱を通しにくい性質があり、外側に熱が伝わりにくいという大きなメリットがあります。これにより、テーブルや床への熱ダメージを最小限に抑えることができます。室内での使用において、これは非常に重要なポイントです。

〇蓄熱性が高い

炭の火が一度回ると、陶器がじわじわと熱を蓄え、安定した温度を保ちやすくなります。これにより、炭の追加頻度が減り、燃費が良く、調理もスムーズに行えます。特に炭火焼きで食材に均一な火入れをしたい場合、この蓄熱性の高さが炭火料理のクオリティを引き上げます。

〇遠赤外線効果でおいしく焼ける

陶器は遠赤外線をよく放射する素材でもあります。遠赤外線は食材の表面を素早く加熱しつつ、内部にもじんわり熱を通すため、肉や魚が「外はパリッと、中はジューシー」に仕上がります。

このように、陶器製七輪は炭火のパワーを最大限に引き出しつつ、熱のコントロールもしやすい優秀な調理器具だといえます。

・陶器製七輪が室内利用に向いている理由

七輪といえば屋外の道具というイメージが根強いかもしれませんが、陶器製の七輪は、その特性からむしろ室内利用にぴったりとも言える存在です。その理由を詳しく掘り下げていきます。

〇熱が外に逃げにくく、床やテーブルへの影響が少ない

陶器素材の特徴のひとつに、優れた断熱性能があります。これは、炭の強い火力が七輪の内側に閉じ込められやすく、外側(特に底面)に熱が伝わりにくいということを意味します。

その結果として、テーブルが焦げたり変色したりしにくくなります。

特に室内では、「周囲に熱が伝わらない」ことが安全性に直結するため、陶器製は非常に理にかなった選択です。

〇熱が穏やかに広がることで火の管理がしやすい

金属製コンロと異なり、陶器製七輪は急激に熱くなったり冷めたりしないのが特徴です。この“穏やかな熱の伝わり方”が、室内使用時に非常に役立ちます。

食材が焦げにくく、火加減の調整がしやすいため、調理が快適に行えます。

また、火力が安定しているので、無駄な炭の追加や火の立て直しが少なくて済みます。

さらに、火力の暴走や急激な温度変化が起きにくいため、事故のリスクも軽減されます。

そして、まるで囲炉裏を囲むような、じんわりと温かい空間を作れるのも陶器製七輪ならではの魅力です。

〇音も煙も穏やかに

陶器の厚みと質感、さらに底に水を張ることによって、炭のはぜる音や急激な炎の立ち上がりが抑えられ、調理中のストレスが少ないというのも密かに評価されているポイント。これは室内空間で「落ち着いて炭火焼きを楽しみたい」という人にとって、大きな利点です。

このように、陶器製七輪は構造そのものが“室内向き”と言えるほど、安全性と調理性能のバランスに優れています。

・金属製七輪との違い|陶器製との徹底比較

七輪には大きく分けて「陶器製」と「金属製」の2種類があり、それぞれに特徴があります。ここでは、室内利用を前提としたうえで、陶器製七輪と金属製七輪を比較し、それぞれの長所と短所を整理してみましょう。

陶器製七輪のメリット

1. 断熱性・蓄熱性が高い

  • 外側に熱が伝わりにくく、室内でも周囲の安全性を保ちやすい
  • 一度熱を持つと安定して火を保てるため、炭の消費を抑えられる

2. 遠赤外線効果で料理がおいしく仕上がる

  • 陶器が放つ遠赤外線により、食材がふっくらジューシーに焼き上がる
  • 焼き魚や焼き鳥など、「中まで火を通したい」調理にぴったり

3. 静かで落ち着いた使用感

  • 金属製のような“カンカン”と響く音がなく、穏やかに調理できる
  • 見た目にも温かみがあり、陶器ならではの趣ある質感とデザイン性和のインテリアとの相性が良い
  • “見せる道具”としても楽しめるため、料理の場面をぐっと上質に演出

陶器製七輪のデメリット

1. 重くて扱いにくい

  • 小型でもある程度の重量があり、持ち運びに手間がかかる
  • 高い場所や不安定な場所での設置は避けるべき

2. 割れやすい

  • 陶器の性質上、衝撃や落下に弱い
  • 強い衝撃や急激な温度変化による「ヒビ割れ」も発生することがあるため、使用前後の扱いには注意が必要

金属製七輪のメリットとデメリット

[メリット]

  • 軽くて持ち運びが簡単
  • 耐久性が高く、落としても壊れにくい
  • 火がつきやすく、アウトドアでは素早い立ち上がりが便利

[デメリット]

  • 熱が外に伝わりやすく、室内使用時に周囲への影響が大きい
  • 火の管理が難しく、炭がすぐに燃え尽きてしまうことも
  • 遠赤外線効果が少なく、食材の焼き上がりにムラが出やすい

室内で安全かつおいしく炭火焼きを楽しむことを重視するなら、やはり陶器製七輪に軍配が上がります。金属製は軽量で扱いやすいものの、「室内向き」という観点では、火力の扱いにくさや熱伝導の高さがネックになりがちです。

イメージ画像

■七輪を使った室内炭火焼きの楽しみ方

炭火焼きの魅力は、ただの「焼く」という行為を超えて、空間そのものを豊かにする体験にあります。とりわけ陶器製七輪を室内で使うと、まるで昔懐かしい囲炉裏のような雰囲気が生まれ、食卓が一気に特別な場に変わります。

・炭火焼きならではの味と雰囲気を再現

遠赤外線でふっくら焼きあがる

陶器製七輪は、内部でしっかりと熱を蓄え、遠赤外線をじっくり放出します。この遠赤外線効果により、食材は表面をカリッと焼き上げながら、内部にゆっくりと熱が通っていきます。

たとえば:

  • 鶏肉は外側は香ばしく、内側はジューシー
  • サンマやホッケなどの魚は、身がふっくらと仕上がり、皮はパリッと
  • 野菜も中までしっかり火が入り、素材本来の甘みを引き出せる

このような焼き上がりは、ガスコンロや電気グリルではなかなか再現できません。

ゆらめく炭火と香ばしい香りで「非日常」を演出

七輪を囲んで炭火を眺める時間は、どこか心を落ち着かせてくれます。パチパチと音を立てる炭、立ち上る香ばしい煙、そして焼きあがる食材の香り。

これらが組み合わさることで、日常の食卓が“炭火居酒屋”や“囲炉裏のある旅館”のような空間へと変貌します。

・自宅で七輪を使うための実例と工夫

実際に室内で陶器製七輪を楽しんでいる人たちは、どんな工夫をしているのでしょうか。いくつかの事例をもとに、リアルな活用スタイルをご紹介します。

事例①:マンションのダイニングで本格焼き鳥

「換気扇の下にテーブルを移動して、耐熱マットの上に七輪を設置。CO警報器も付けて準備万端!焼き鳥と日本酒をゆっくり楽しむ時間は、居酒屋に行くより最高です」(40代・男性)

事例②:キャンプ気分で家族団らん

「子どもたちと一緒に魚やお餅を焼いて、まるでおうちキャンプ。火を扱うことの大切さも教えられるし、週末が特別なイベントになります」(30代・女性)

事例③:テレワーク後のご褒美ディナーに

「仕事が終わってから、七輪で一人焼肉。音楽を流して炭火の香りを楽しむ時間が、1日のご褒美になっています」(30代・男性)

このように、七輪のある食卓は暮らしそのものの楽しみ方を広げてくれるツールとして活用されています。

■まとめ – 陶器製七輪で、室内でも本格炭火焼きを楽しもう

陶器製七輪は、単なる調理器具という枠を超えて、食卓に「体験」と「雰囲気」をもたらす存在です。遠赤外線によるふっくらした焼き上がり、炭火が作り出すやさしい温もり、そして五感をフルに使って味わう楽しさ。これらすべてが、日常の食事をちょっと贅沢なひとときに変えてくれます。

もちろん、室内での使用にはリスクもあります。一酸化炭素中毒や火災といった危険性をしっかり理解し、必要な道具(CO警報器・耐熱マット・消火器など)を備えることで、安全に楽しむ環境を整えることができます。

とくに陶器製七輪は、断熱性・蓄熱性・安全性に優れており、室内利用において最もバランスの取れた選択肢です。見た目の美しさも含めて、日常の中に「炭火」という非日常の要素を取り入れるには最適なアイテムといえるでしょう。

これから七輪デビューを考えている方も、すでに使っている方も、ぜひ安全第一で本格的な炭火焼きの楽しさを味わっていただけたら嬉しいです。

かもしか道具店の「陶の炭火コンロ」は、陶器製ならではの高い断熱性・蓄熱性を持ちつつ、現代の生活にもなじむシンプルで美しいデザインが魅力です。和モダンな見た目で、インテリアにも自然に溶け込み「道具としての使いやすさ」と「暮らしに映える美しさ」の両方を兼ね備えた一台。ぜひ下記のページもチェックしてみてください。

■陶器の炭火コンロ 商品一覧はコチラ↓

イメージ画像