三重県菰野町に窯を持つ山口陶器のブランド「かもしか道具店」

かもしか道具店

2024.9.24
ごはんの豆知識

【ご飯の土鍋に欠かせない「目止め」の方法とコツ】

■目止めとは?なぜ必要なのか

土鍋の表面には小さな穴(目)が無数に開いており、これらの小さな穴が土鍋の特性に深く関わっています。
目止めとは、この穴をふさぎ、土鍋のひび割れや水漏れ、におい移りを防ぐための工程です​。
土鍋はそのまま使うと内部の穴が水分を吸収し、ひび割れの原因や、土鍋ににおいが付いてしまうといったトラブルが発生しやすくなります。それを防ぐために目止め行い、土鍋をより長く、快適に使用していただけるようにします。

土鍋の目止めにはいくつかの方法がありますが、一般的かつ効果的なのが「おかゆを使う方法」です。
お米がでんぷんを多く含んでいるため、目止めには最適です。おかゆのでんぷんが土鍋の小さな穴を埋めてくれ、水漏れやひび割れのリスクを軽減してくれるのです。
それでは、おかゆを使った基本の目止めのやり方について、手順とポイントを解説します。

・手順

1.土鍋に水を張る

土鍋の8分目まで水を入れます。

2.炊いたご飯を入れる

ご飯を大さじ1杯ほど土鍋に入れます。

3.火にかけて煮込む

弱火から中火で火にかけ、おかゆがのり状になるように20~30分ほど煮込みます。このとき、こげつきを防ぐために時々かき混ぜるようにしましょう。

4.冷ます

おかゆができあがったら火を止め、完全に冷めるまでそのまま置いておきます。おおよそ1時間ほどで冷めます。

5.水洗いと乾燥

完全に冷めたら土鍋の中身を取り出し、水でやさしく洗います。その後、しっかりと乾燥させます。目止めの効果を高めるためにも、ひと晩乾燥させるのがおすすめです​。

・コツ・ポイント

1.急激な温度変化に注意

土鍋は急激な温度変化に弱いため、炊いた後は必ず自然に冷ましてから洗うようにしましょう。冷めない状態で水に浸けると、ひび割れの原因になることがあります。

2.洗ったあとはしっかり乾かす

洗ったあとは、しっかりと乾かすことで土鍋の劣化を防ぎます。乾燥が不十分だと、カビが発生する原因にもなりますので、十分な乾燥時間を確保してください。

土鍋

■その他の注意点

土鍋を長く愛用するためには、目止め以外にもいくつか注意すべきポイントがあります。
特に土鍋の取り扱いや洗い方、保管方法などは、土鍋を傷つけないために重要です。以下では、土鍋の使用時に気をつけたいポイントをご紹介します。

・急冷を避ける

土鍋を使った後、まだ熱い状態で急に水に浸けるのは厳禁です。
急激な温度変化により、土鍋にひび割れが発生する可能性があります。必ず自然に冷ましてから洗うようにしましょう。

・金属たわしや研磨剤入りのクレンザーは使用しない

土鍋の表面は繊細です。金属たわしや研磨剤入りのクレンザーでこすると、土鍋の表面が傷ついてしまい、水漏れの原因になることがあります。
焦げ付きがある場合は、重曹を使って取り除くのが効果的です。重曹を水に溶かして煮立てることで、焦げ付きが柔らかくなり、簡単に落とすことができます。

・乾燥させる

土鍋を洗った後は十分に乾燥させることがおすすめです。
十分に乾燥させることで、カビの発生を防ぐことができます。湿気を含んだ状態で保管すると、カビが発生しやすくなり、土鍋の寿命を縮める原因となります。

・保管方法

土鍋を保管する際は、新聞紙に包むと良いです。新聞紙が余分な湿気を吸収してくれるため、土鍋が湿気によりカビるのを防ぐことができます。
また、蓋をした状態で保管する場合は、蓋と本体の間に新聞紙やキッチンペーパーを挟んで空気を通しやすくしましょう。

以上のような取り扱いや保管方法を守ることで、土鍋を長く愛用することができます。

 

■目止めの頻度やQ&A

土鍋の目止めは一度だけで良いと思われがちですが、実際には土鍋の状態や使用頻度に応じて適宜目止めを行う必要があります。また、目止めに関してよくある疑問についてもここでお答えしていきます。

・Q. 目止めは最初だけで大丈夫?

土鍋は使用していくうちに細かいひび割れができることがあります。
そういった場合には、目止めを再度行うことをおすすめします。
目止めは土鍋の小さな穴をふさいでくれるだけでなく、細かいひび割れを埋める効果も期待できます。
そのため、土鍋を長持ちさせるためには、使い始めだけでなく、必要に応じて目止めを行うことが重要です。
特に、水漏れが見られる場合は再度目止めを行うと良いでしょう。

・Q. 米の研ぎ汁やお米で目止めしても大丈夫?

目止めの際、米の研ぎ汁や生米を使う方法を耳にすることがあります。
しかし、米の研ぎ汁は濃度が低いため、目止めにはあまり向いていません。
また、生米を使った場合、糊状になるのに時間がかかるため最適なのは残りご飯を使う方法です。
残りご飯は既に糊状になりやすく、土鍋の目止めに適したでんぷんをしっかりと含んでいるため、効果的に目止めができます。

土鍋の状態に応じて適切な目止めの方法や頻度を選ぶことで、より長く快適に土鍋を使用することができます。

土鍋

■まとめ – ご飯の土鍋を長持ちさせるための目止めの重要性

土鍋を長く愛用するためには、初めて使うときの目止めはもちろん、使用後の適切なお手入れが欠かせません。
目止めをすることで、土鍋の水漏れやひび割れを防ぎ、におい移りを防ぐことができます。
また、使用していく中で土鍋が水漏れする場合やひび割れが発生した場合でも、適切に目止めを行うことで、再び土鍋を使えるようになります。

お手入れには手間がかかりますが、その分、土鍋を長く愛用できるだけでなく、料理をより美味しく仕上げるためにも重要な工程です。
また、急激な温度変化を避けることや洗った後の乾燥、保管方法にも注意を払うことで、土鍋の劣化を防ぎ、清潔に保つことができます。

土鍋の目止めをしっかりと行い、日々のお手入れを続けることで、土鍋のある豊かな食卓を楽しむことができます。
土鍋の特性を理解し、大切に使い続けることで、季節ごとの美味しい料理を楽しむことができるでしょう。

 

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